「生産性」も「基準」も無い「待ち時間」には大きな不満が募ります。
患者様は出来ることなら診察の直前まで自宅や車の中で身体を休めていたいと考えています。
待合室の椅子に黙って座っているより有効に時間を使いたいと考えています。
「いつまで、こうして待てばよいのだろう」
「この時間があれば銀行に行けたのに」
「夕食の買い物ができたわ」
「会議に間に合いそうにない」
あるデータによると「病医院を変えた理由」の第5位は「長い待ち時間」。
「あの医療機関はとてもいいけど、待ち時間が長過ぎて…」
「少し行けば待ち時間が短い医療機関があるから、今度からは…」
「この程度の症状なら空いている別の医療機関で診てもらっても…」
一度、他院に移った患者様を再び呼び戻すことは究めて困難です。
待ち時間対策の限界
4時間かかっていた待ち時間を2時間に短縮せよという課題があったとします。
すぐに思いつく方法は以下の3つです。
- 医師を倍にする
- 患者様を半分にする
- 1人当たりの診察時間を半分にする
いずれも実現不可能で非現実的です。
中待合室で上着を脱いでおいてもらう、質問は紙に書いて持参してもらう、スタッフは小走りで動く、患者の長話は
上手に切り上げる…等の策も検討されますが根本的解決には至っていないのが現状です。
本当に待ち時間は短縮可能なのか
8:30受付開始/9:00診察開始のクリニックがあったとします。
8:30の開錠と同時に30人が院内に入ってきて順番に受付をしました。
1人の診察を5分と仮定します。
1番の患者様は9:00に呼ばれ9:05に診察を終えます。
30番の患者様は11:25に呼ばれ11:30に診察を終えます。
受付した時点で約2時間半の待ち時間が決定してしまいます。
「早くから来ているのに、いつまで待たせるのだ!」と不満を噴出させるのはこのような患者様たちです。
1番の方の待ち時間は8:30~9:00までの30分。
30番の方は8:30~11:25までの約3時間となります。
ふたりの患者様のストレスの違いは説明するまでもありません。
…とは言うものの1番の方は誰よりも早い時間に来院していたのかも知れません。
理想の診療風景
待ち時間の短縮とは「院内滞在時間の短縮」です。
現実的にはあり得ない風景ですが…朝9:00に診察が始まります。
9:00直前に本日1人目の患者様が来院しました。
その方を診察中に2人目の患者様がやってきて1人目の診察が終わるとほとんど待つことなく診察室に呼ばれました。
その方を診察中に3人目の患者様が… そうしているうちに4人目が…
このようなタイミングで患者様が次々と来院するのが理想です。
このような事は可能なのでしょうか。
待ち時間対策を考える4要素
複雑な「待ち時間対策」も大きく分類すると整理しやすくなります。
時間
「直接的 待ち時間対策」 待合室に滞在している時間そのものを短くしようとする対策
「間接的 待ち時間対策」 待っている時間を様々な工夫で飽きさせないようにする対策
資源
「人為的 待ち時間対策」 職員の患者への声掛け等でストレス低減を図ろうとする考え
「機械的 待ち時間対策」 予約システム、順番表示モニターなどの導入による便利化
4つの要素をバランスよく改良・改善・改革していくとうまく待ち時間対策を改善できます。
着目する視点
医療機関へ行って受付をしなければならない
行ってみなければ混み具合はわからない
今いる場所からは様子がわからない
受付をしに行かなくても「今いる場所」から混み具合を確認して「そこ」から「診察順番」や「診察時間」を
予約してしまうことが出来るようにすることです。
そして診療科や施設規模で「順番予約」「時間予約」のどちらを採用するかを検討します。
いずれにしても受付をしに行く必要がないので自分の診察の直前まで自由な時間です。
即ち「院内滞在時間の短縮」=「待ち時間対策」となります。
今の時代だからできることです。
みんなが望んでいること
不満を抱えながらじっと耐えて待つ患者様。
患者からの問合せ・クレーム、厳しい視線を浴びながら業務をこなすスタッフ。
疲労感を露わにする患者にせかされるように診察する医師。
この3つの苦悩は同じ空間で同じ時刻に同時に発生しています。
「待ち時間対策」を始めませんか?
何からどのように始めたらよいのかご不明なことも多いでしょう。
ぜひ株式会社アドウィックへご連絡ください。